【決算まとめ②】ゲーム関連企業36社の25年1~3月期は4社が営業黒字転換 赤字計上企業は4社に リストラ実施のKLabは次の四半期に特損計上へ
主要モバイルゲーム企業の2025年1~3月期の決算を引き続き振り返ってみたい。今回は、この四半期に大きく減少した営業赤字計上企業についてを取り上げたい。
この四半期に営業赤字を計上した企業は、データ集計対象の36社中、4社となった。2四半期前には12社あった営業赤字計上企業が前四半期は7社となり、今回はさらに減少した格好だ。脱コロナ後の特需はく落で業績悪化となる企業が目立っていたゲーム関連企業だが、ようやく構造改革などが進み、収益性が大きく改善してきた段階にあると言えるのだろう。
なお、この四半期は4社が営業黒字転換を果たした一方で、1社が営業赤字に転落した。営業黒字に転換したのはネクソン<3659>とコロプラ<3668>、アカツキ<3932>、ワンダープラネット<4199>の4社で、赤字転落したのはエイチームHD<3662>となる。
コロプラは、「ドラゴンボール」コラボが奏功した『ドラゴンクエストウォーク』が業績を大きくけん引した。また、投資育成事業でタイミー<215A>株式の売却などによる収益が発生したことも利益を大きく押し上げた。ただ、投資育成事業については一過性の収益という側面が強く、次の四半期に本業での収益性がどのくらい改善しているのか問われることになりそうだ。
営業赤字に転落したエイチームHDは、連続的なM&A(企業買収)を推進中であることが利益率を押し下げた格好だ。一方で、暗号資産関連事業を運営するPaddle社の連結開始で、暗号資産評価益が営業外利益として計上される収益モデルとなってきており、経常利益と最終利益は前四半期比(QonQ)で増益での着地となっている。
やや、心配なのはKLab<3656>だろう。同社は第1四半期決算の発表と同時にモバイルオンラインゲーム事業において少数精鋭体制への転換を進めるため、6月30日を退職日とした100名程度の希望退職者の募集を実施することに加え、外注・業務委託人員も第2四半期中に40名程度削減する方針を発表した。この構造改革により、一過性の費用負担が発生することになり、次の四半期は特別損失を計上する予定だ。
会社情報
- 会社名
- 株式会社エイチームホールディングス
- 設立
- 2000年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 林 高生
- 決算期
- 7月
- 直近業績
- 売上高239億1700万円、営業利益5億6200万円、経常利益6億900万円、最終利益9億5300万円(2024年7月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3662
会社情報
- 会社名
- KLab株式会社
- 設立
- 2000年8月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 真田 哲弥
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高83億600万円、営業損益13億4200万円の赤字、経常損益12億8000万円の赤字、最終損益27億8200万円の赤字(2024年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3656
会社情報
- 会社名
- 株式会社コロプラ
- 設立
- 2008年10月
- 代表者
- 代表取締役社長 宮本 貴志
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高259億7500万円、営業損益12億800万円の赤字、経常損益9億4700万円の赤字、最終損益18億6600万円の赤字(2024年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3668